今回はIT業界を3つに分けたワンポイント解説第二弾です。
前の記事はこちらをご覧ください。
採用IR IT業界(ITサービス)解説

IT業界を「ITサービス」「ネットサービス・アプリ」「EC」に分けて解説します。
今回は「ネットサービス・アプリ」について解説します。

3つのポイント

この記事では業界の最近の動きを押さえる3つのポイントを中心に解説します。

① コロナで利用者増加 情報ツール+αの社会基盤へ
② 広告依存モデルの問題点
③ プライバシー問題 データを抱えるメリットとリスク

社会基盤としての影響力、広告依存モデルの課題、プライバシー問題について説明します。

ネットサービス・アプリ業界とは

まずはじめに、ネットサービス・アプリ業界の概要を確認しましょう。
ネットサービス・アプリといって学生の皆さんが想像するのは、LINEやTwitterといったSNS、スマートニュースやグノシーなどのニュースアプリではないでしょうか。

ネットサービス・アプリ業界の特長は、ログインアカウントを発行し、その情報に紐づけてえ様々な情報配信や便利なツールを提供していることです。多くのサービスは基本無料で利用でき、課金などで追加サービスを利用できます。

上記のSNS、ニュースアプリ以外にも、Googleの各種サービス(Gmailなど)や食べログなどの口コミサイトなどもこの業界に入ります。
ネットサービス・アプリ業界の特長は収益モデルです。

ほとんどのサービスは個人が無料で利用できますが、サービス提供会社は高い売上高を計上しています。この売上はほとんどが広告利用料で、登録しているユーザに対する広告配信サービスを企業・法人に対して販売しています。

そのため、どれだけ多くの利用者を保持しているか=広告を配信できるか、となるため、利用者数を増やすことが重要となります。

市場の規模と変化

国内でのネットサービス・アプリ業界の市場規模は、売上高での推計がないのでSNS利用者数で市場規模の変化を見ます。国内SNS利用者数は2015年の6488万人から2019年には7786万人へ増加。2022年には8241万人と予測されています。利用者数の増加は続いていますが、その成長率は緩やかになり、2000年代から急速に普及してきたSNSは成長期を過ぎ安定期に入ってきたように見えます。

しかし、SNSやアプリについては利用者のニーズによってすみ分けが進んだり、あるいは登録者の多さを生かした情報基盤としてネット決済や予約申し込みツールとして機能したりといった、サービス内容の強化も進んでいます。業界全体としては安定期に入りつつも、提供するコンテンツや利益モデルの変化は続いています。業界全体の緩やかな拡大は続き、さらに業界内での位置づけの入れ替えもまだまだ起こる可能性があります。

トピックス1

① コロナで利用者増加 情報ツール+αの社会基盤へ

ネットサービス・アプリ業界のトピックスとしては、まず情報ツールとしての利便性から社会基盤として機能している点です。以前から、災害時の連絡手段として注目され、ニュース速報を伝える手段としても整備されてきました。さらにコロナ禍で非対面コミュニケーションの手段として、SNSやメッセージングがこれまで以上に活用されるようになりました。2020年のネットサービス・アプリ利用率は3割以上も上昇したといわれています。また、決済手段としてFinTechと結びついた「ペイ払い」は、非接触での支払いツールとして大きく普及が進みました。

こうした普及によってさらに利便性が求められると同時に、蓄積されたビッグデータの活用も今後の業界成長につながると考えられます。

トピックス2

② 広告依存モデルの問題点

ネットサービス・アプリ業界のポイント2つ目は「広告依存モデル」です。ネットサービス・アプリ業界は「便利なサービスを無料で提供する」「個人情報を獲得する」「企業に広告配信サービスを販売する」というのが基本的なビジネスモデルとなっており、広告の売上が企業の業績に直結しています。

デジタル広告ビジネスはコストが低く、大手顧客からの繰り返し受注が見込めるため、利益率が高いビジネスです。しかし、景気の変動に非常に影響されやすいビジネスでもあるため、コロナの影響で広告料が減ると減収につながります。

また、デジタル広告は顧客企業から「本当に表示されたのかわからない」「ロボットにクリックされている」といった指摘を受けることが増えてきました。ネットサービスはこういったデジタル広告特有の課題にも対応することが求められています。
今後、デジタル広告はさらに重要性を増しますが、広告だけに依存しないビジネスの構築も必要となってきます。

トピックス3

③ プライバシー問題 データを抱えるメリットとリスク

ネットサービスの最大の強みは、利用者の個人データを多く保持していることにあります。これは前述の広告配信の元にもなっていますし、今後はビッグデータとしてさらに多くの活用が見込まれます。購買データに基づいた販売計画づくり、人の移動データに基づいたタクシーの配車システムなど、すでにビッグデータを使ったサービスが多く実用化されています。ネットサービス・アプリ企業は、こうしたデータを活用し本業以外のサービス展開や協業などを行える強みがあります。

一方で、個人データのプライバシーには以前よりもリスクが高まっています。データを狙った侵入によって情報流出が起こった場合は、当然安全管理を問われますし、サービスの信用を毀損することにもなりかねません。近年では、大手ネットサービス企業による個人情報の活用に一定の歯止めをかけようという流れもあり、EUではGDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)という法制度を定めて企業によるデータの濫用を抑制しようとしています。

個人のライフデータがより高い価値をもち始めている現在、ネットサービスのビッグデータには大きなメリットとリスクが存在することになります。

まとめ

ネットサービス・アプリ業界は、利益率が高く今後も成長が見込める業界ですが、その中でのシェア争い、利用者獲得競争は今後も厳しいものになっていくと考えられます。就活では業界研究だけではなく個々の企業の強みと戦略をしっかり見ていくことが必要になるでしょう。

ネットサービス・アプリ業界の企業を研究するときには、広告の顧客企業、セキュリティ対策、今後のビジネス戦略を中心に見ていくといいでしょう。

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